カルシウムの摂りすぎは良くないの?
日本人には不足しがちと言われるカルシウムですが、では摂りすぎた場合、体に害はあるのでしょうか?
結論から言うと、害はありません。
というか、もともと、日本人のカルシウムの摂取量はアメリカ人のわずか3分の1程度しかなく、摂りすぎたところで心配する必要もありません。
また体にはカルシウムの量を調節してくれる機能があります。
多く摂った場合、骨に蓄えて骨を強くするし、足りない場合は腸が無駄なく効率よくカルシウムを吸収しようとします。
普通の食品から摂取する分にはいくら食べても害はないと言えるでしょう。
カルシウムの上限摂取量は?
では国は上限摂取量についてどう定めているのか?
厚生労働省はカルシウム摂取量の上限を2500mgに決めています(厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015 年版)」より)。
これは牛乳に換算すると2.5リットルに相当します。
ちなみにカルシウムを摂りすぎると、便秘になると言われています。他にはどんなデメリットがあるのでしょうか?
さらに前立腺がんや心疾患のリスクが上昇すると言われていますが、これはどちらかというと、サプリメントでかなり大量に摂取した場合に起こるものです。
サプリなどで急激にカルシウムが吸収されると心臓への負担が心配されるため、1回あたり500mgまでにしておいた方が安全だと言われています。
他にも、1日あたり3g(3,000mg)のカルシウムを長期摂取した場合、高カルシウム血症の発症率が高まります。
発症すると、骨痛や筋肉痛、不整脈や激しい眠気が起こります。
また、1日に出す尿中カルシウムの排出量が200mgもしくは4mg/kgを超える場合は高カルシウム尿症と定義されます。
高カルシウム尿症になると尿路結石ができやすくなります。
カルシウムが摂取不足になると、骨という巨大なカルシウムのプールから血液中にカルシウムが押し出されます。
その結果、余ったカルシウムが動脈や脳に沈着し、「石灰化」を引き起こします。
沈着したカルシウムはコレステロールや中性脂肪を呼び寄せ、動脈硬化や高血圧、痴呆、糖尿尿などの生活習慣病の原因になると言われています。
したがって、カルシウム不足にならないように、カルシウムを豊富に含む食品(牛乳や乳製品、小魚や海藻類、大豆など)を積極的に摂り、必要に応じてサプリなどで補給することが大切になります。