口呼吸はどうしてダメなの?

鼻呼吸は良くて口呼吸はダメという漠然とした理解はしているけど、なぜダメなのかという具体的な理由を知らないという方は多いのではないでしょうか。ダメな理由はいくつかあります。

 

口の中が乾いて菌の増殖が進み虫歯や歯周病や口臭の原因になる、空気中にある菌やウイルスを吸い込んでしまい風邪やインフルエンザやノロウイルスなどの病気に感染しやすくなる、口が開いていることで唇や頬の筋肉が衰えてたるみが生じ口元のほうれい線や輪郭のゆるみが目立つようになるなどがそれにあたります。

 

歯並びや噛み合わせの悪さの原因にもなりますので、骨格の形成がなされる途中の子どもは注意が必要です。アレルギー体質の人は、アレルギー物質を口から吸いこむことでアレルギー症状が悪化するというリスクもあります。このように口呼吸がダメな理由には様々なものがありますが、その中でもとくに注意が必要なのが口の中が乾燥することによって生じる菌の繁殖です。

 

唾液には口の中を殺菌する作用がありますが、口を開けた状態で呼吸をしてしまうと唾液が乾いて殺菌作用が弱まります。そのことにより虫歯菌や歯周病菌が増殖し、口内環境が悪化して口臭も強くなってしまいます。口呼吸になりやすいのが、睡眠中です。朝起きると口の中が乾燥していて喉が痛くなったり咳が出たりするという場合、寝ている間に口呼吸になっている可能性が高いです。

 

無意識のうちに口で呼吸してしまうことを防ぐための対策として有効なのが、枕の高さを調節して顎が上がらない状態の寝姿勢をキープする、口が開かないようにするための専用のテープを貼る、マスクを着用するなどの方法です。これらの方法は今すぐに誰でも手軽に行うことが出来ますので、積極的に試してみましょう。

 

虫歯や口臭や歯周病を防ぐためには、菌が繁殖しにくい口内環境に整えておくことも大事です。睡眠中は唾液の分泌が少なくなり菌が繁殖しやすくなりますので、寝る前のオーラルケアは徹底的に行うことが重要なポイントとなります。

 

積極的に行うべきこととしては、普通の歯ブラシや電動歯ブラシや歯間ブラシやフロスを使って歯や歯茎に付着した汚れを徹底的に落とす、舌ブラシを使って舌にこびりついた舌苔を取り除く、殺菌作用が強い歯磨き粉や洗口液やうがい薬を用いて口の中を清潔に保つなどがあります。

 

虫歯があったり歯周病になっていたりするとどんなにオーラルケアをしてもなかなか口内環境が改善されませんので、歯科クリニックで定期検診を受けたりクリーニングや予防歯科などの診療を受けたりすることも大切です。口ではなく鼻での呼吸を意識して、健康な体をつくっていきましょう。