ホワイトニングすると痛いってホント…?

「ホワイトニング」とは、薬剤を歯に付着させて白くする施術です。歯が黄ばんでいたり、色素沈着している場合に人前で歯を出して笑うことに躊躇するといった悩みを抱えている方が、歯科クリニックや美容診療クリニックなどで実施しています。

 

しかし、ホワイトニングの施術の際や施術後に他のことで悩まされるケースがあります。それは、歯の痛みやしみる現象が起こります。この痛みを感じる原因は、ペリクル層がはがれることだとされています。

 

歯は外側からエナメル質・象牙質・歯髄という順序で構成されており、エナメル質の外側は有機物の被膜が存在しています。唾液に含まれる被膜をつくることで形成される「ペリクル層」で歯磨きで除去してもほんの数秒で再生されます。

 

しかし、ホワイトニング剤にはペリクル層を分解・除去する働きがあり、取り除いた上でエナメル質に直接塗布する薬剤のために、歯の表面を保護しているペリクル層がなくなります。したがって、一時的に刺激に弱い状態になり、知覚過敏のような痛みが出ることがあります。

 

冷たいものや甘い物、歯ブラシを当てた際に痛みを感じやすくなります。ホワイトニング剤によって分解・除去されても24時間ほどで再生するので、24時間以内に症状は治まると考えてよいです。

 

24時間経過しても知覚過敏の症状が治まらない場合は、他のことが原因である場合があります。もともとが知覚過敏だったり場合や歯に亀裂や破折がある場合、歯周病などで歯茎が下がっている、歯ぎしりや食いしばりの癖があったり虫歯の治療後などの場合です。

 

ホワイトニングをきっかけに痛みが現れた場合は、鎮痛剤などの服用で症状が治まるのを待つという措置が行われることがほとんどです。しかし、ある程度の期間が経過してもおさまらない場合は、知覚過敏の治療を行う必要性が出てきます。

 

神経伝達を妨げる成分であるカリウムイオンが配合された専用の歯磨き粉を使用することで、刺激を軽減してくれます。またなかなか緩和されない場合は、象牙細管の表面を封鎖する方法で、フッ化ナトリウムやシュウ酸カルシウムが含まれている薬剤を使用することでフタをすれば、象牙細管内組織液の移動を抑えます。

 

ホワイトニングは通常は痛みを生じるものではありませんが、歯の状態や施術の方法、個人差によって痛みを伴います。興味があっても痛みやしみる可能性を考えると二の足を踏んでしまう方もいるでしょう。

 

しかし、事前に虫歯や歯周病治療を終了し、口腔内環境を整えるなどきちんとした対策をとることで、最小限に抑えることができるので、あらかじめしっかりと相談したうえで施術することをおすすめします。