歯の「クリーニング」ってどんなもの?
歯医者で行われることの一つに歯のクリーニングが挙げられますが、歯のクリーニングとは汚れを除去して歯をきれいにすることを指しています。病院やクリニックによっても施術する内容は異なりますが、多くの場合は口腔内の衛生管理のプロフェッショナルでもある歯科衛生士が行います。
スケーラーと呼ばれる専用の器具を使い、歯垢や歯石、着色などを除去して、それと同時に表面の研磨を行います。ステインの付着が強い場合には、ジェット水流を使って着色を落とすジェットクリーニングが行われることもあります。
歯に歯垢や歯石などが付着している場合には、見た目の問題だけではなく、これが虫歯や歯周病の原因にもなりえます。クリーニングを行うことによって、虫歯や歯周病の予防をすることができたり、軽度や中度の歯周病であれば、改善にも効果が見込めます。
歯と歯茎の境目の隙間のことを歯周ポケットと呼んでいますが、この部分に付着したプラークや歯石は、歯周病の原因にもなってしまいます。この歯周ポケットの内側の歯石や細菌を専門の機械を使ってきれいに取り除くこともできます。このクリーニングは施術を行う歯科衛生士のテクニックによって、どれだけきれいに除去できるかが大きく異なります。
歯周ポケットは健康な歯肉の場合には、通常であれば2ミリから3ミリ程度の深さとなっています。しかし歯周病になった場合には、歯をささえるための歯槽骨が退化してしまい、歯周ポケットがどんどん深くなってしまうでしょう。歯周ポケットが深くなってしまうと、その奥まできれいに掃除をしなければならず、より高い技術が必要です。歯肉の状態が健康な人や、歯周病であっても軽度や中度の場合には、歯周病の予防や症状の改善が期待できるクリーニングは非常にお勧めです。
表面に付いた頑固な捨て印を除去する方法がジェットクリーニングです。これはジェット噴射の機械で水とパウダーを歯に吹き付けて除去する方法です。ジェットクリーニングを行った直後は、歯の表面がざらざらになってしまうので、トリートメント剤を使ってつるつるに磨きあげます。表面をつるつるにすることによって、再び着色を防ぐことにもつながります。
一般的に歯のクリーニングは自由診療で行われることがほとんどです。保険診療でクリーニングを行いたいという場合には、歯周病の治療として行うことしかできません。審美目的や予防目的で行う場合には自由診療となりますが、一度にすべての歯をきれいにすることもでき、歯を磨くペーストやトリートメントも自由に選ぶことができます。